tera (寺) café vol.5
こんばんは。
3月28日にska vi fika?で開催された tera(寺)café vol.5 に参加してきました!
ska vi fika? / スカヴィフィーカ
◎住所 : 弘前市清水3丁目4-2
◎営業時間 : 11:00 ~ 17:00
◎定休日 : 金曜
◎お問い合わせ : 050-5436-0855
◇ska vi fika?はスウェーデン語で「一緒にコーヒー飲みませんか?」という意味。
tera (寺) café vol.5
◎開催日 : 2020年3月28日 15:00~17:00
◎参加費 : 1,000円
◎内容 : 久渡寺秘仏ご開帳直前Special!久渡寺の観音様にまつわるお話・特別展示
お天気が良くて、お店の前にドドーンと岩木山が綺麗に見えていた日。
ska vi fika? に初めてお邪魔しました。
参加費を払って、ドリンクとクッキーを頂きます。
ドリンクは 温かいコーヒー・温かい紅茶・甘茶から選ぶことができ、初めて目にした甘茶(あまちゃ)を選んでみました。
毎年4月8日に行われる 釈迦の生誕を祝う仏教行事「灌仏会(かんぶつえ)」の際に、お釈迦様に甘茶をかけることから、tera (寺) caféでは毎回出しているんだそうです。
お砂糖が入っていないのにとっても甘くて、それが何からくる甘さなのかよくわからなくて少し怖かったです…(-_-)
久渡寺の住職 須藤光昭さん、五色山聖心寺の住職 工藤聖真さん、鷹揚山不動寺の住職 三上善及さん、陸奥護国寺の住職 今彩光さん 他一人の5名もお越し頂いて、お話や解説などを聞きます。
(護國山 久渡寺 Facebook より)
4月18日~5月6日の期間、久渡寺秘仏本尊正當の33年に一度のご開帳が行われる予定でしたが、COVID-19の影響により約1年程度延期すると発表がありました(延期日時は未定)。
一般ご開帳は来年へ延期ですが、秘仏観音様の「特別手形守」と「特別手形ご朱印」は予定通り4月18日から授与するそうです(完全数量限定)。
予定していた4月18日は 寺内関係者のみで本尊厨子を少しだけご開扉するそうなので、観音様には厨子扉の隙間から 疫病終息と民心安穏を一生懸命に祈念しながら見守っていただきたいと仰っていました。
※詳しくは 護國山 久渡寺のFacebook をご覧ください。
五色山 聖心寺の住職 工藤さんがお描きになった、御朱印 曼荼羅(まんだら)。
「4月はお釈迦様の生誕月だから、赤ちゃんっぽいお釈迦様(左上)を描いてみました~」とのこと。
工藤さんはねぷた絵師を目指した経験から、月替わりの手書きの御朱印を発行しているんだそうです。(画像は4月のもの)
また「今度、匂い袋のワークショップやります~」と 袋や香料を見せてくれました。
匂い袋は、檀家さんが作ってくれた小さな袋に 綿と粉末状の香料と内府を入れて作る、香りも楽しめるお守りのようなもの。
みんな大好き白檀(びゃくだん)、抹香みたいな丁子(ちょうじ)、防虫効果のある竜脳(りゅうのう)、高野山で使われているお線香を細かくしたもの、鬱金(ウコン)、お寺で使われているお線香を細かくした 御香花を参加者でテイスティング。
女性住職の今彩光さんが「私が持ってるのはね」と使っている物もを テイスティングさせてくれました。
白檀がメインなのですが、塗香(ずこう : 手に塗るお香)や抹香(まっこう : 焼香に使うお香)など何種類かと一緒に何年も持っていたら、角がとれて甘い香りに変わっていたそう。深い。
お守りの中に入っている紙(内府)は、匂い袋を贈る相手によって 和尚様が書いてくれます。
何種類かを調合することで 香りに奥行きが出たり、お着物をよくお召しになる方は竜脳を入れて桐箪笥にしまうと防虫にもなる効能重視の匂い袋になったり、高野山で使われているお線香を入れるとお守りよりの匂い袋になったり、何通りもあって楽しいですね。
一人に一冊「仏前のおつとめ」が配られて、瀬戸内寂聴さんの絵本を基に般若心経の解説と声に出して読んでみます。
仏教にはいくつか宗派があり その宗派によって唱える場面は違いますが、基本的に仏教徒の人はみんな、般若心経を唱えます。
「般若心経を唱えるには声が必要ですが、呼吸がないと声は出せません。呼吸は生きている証ですから、呼吸がないと出せない声を大切に」と仰っていました。
本来なら4月18日よりご開帳予定だった 久渡寺の秘仏が約1年ほど延期になってしまったので、その時に一緒に公開する予定だったものと 公開する予定はないけど せっかくお集まりいただいたのでと、いくつか秘宝を見せていただけました。
しかも 住職の生解説付きで!贅沢。
久渡寺の御朱印帳に載っている絵の原画を持ってきてくださいました。
額縁も今回のために作られたんだとか。
3~400年前の修行僧が書いていた写経。
エアーで原稿用紙のマス目が見えそうなくらい 同じ大きさの文字が並んでいます。
表紙には龍が描かれています。
久渡寺で修理中の建物を解体しているときに見つかったんだそうです。
棟札(むねふだ)。
何を・誰が・いつ・誰からの命令で、建物の建築・修築するのかの記録・記念として、書かれる札です。
新しく建築するときも修築するときも 毎回新しく書くので、久渡寺には20枚ほど保管しているそうです。
裏には棟札を書いた人の名前が書かれています。
これには「筆者 金剛山最勝院九代後嵐日雅法師 書之」と書かれているのが読み取れます。
次は、久渡寺の秘仏と同時に公開予定だった円山応挙(まるやま おうきょ)の幽霊画の真筆。
円山応挙の書く人物画は、細かな線を何度も引くことで奥行きが生まれる目が特徴的なのだそうです。
久渡寺の秘仏ご開帳が延期してしまったので 幽霊画の長期間の公開も延期になってしまいますが、1年に一度、1時間だけの公開は今年も変わらないそうです。
目録。
寺領之目録。
寛永2年(1625年)に書かれているので、395年前のものです。
久渡寺の寺領の石高が書かれています。
細行之目録。
寛永11年(1634年)に書かれているので、386年前のものです。
紙質がスーパーしっとりのこちらは、なんだったかな、忘れちゃいました(+o+)
佛閣取調書。
明治6年(1873年)に書かれているので、147年前のものです。
神仏分離のときに、その敷地内には何を祀る神社・お寺があるのかを詳しく書いた地図やその仏閣の詳細を明記した書物を政府に提出しないといけなかったそうなんです。
その書物を基に、「◯◯神社」と鳥居には書いてあっても 敷地内にお寺があったりした場合はそのお寺の取り壊しを決めたんだそうです。(その反対も有)
當寺草創 中興佳僧記。
黒石にあるお寺について書かれているものが なぜか久渡寺にあったそうです。
そのお寺がいつからあって 何の仏像を祀っているのか、誰から誰に引き継がれ その僧にはどんな経歴があるのかなど、お寺に関してのすべてを細かく書かれた書物です。
思っていたよりも、「◯◯法師の教えを乞うために△△寺に修行に行く」と全国各地へ出向いていた修行僧が多かったようで、フッ軽だったんだなぁという印象。
申神像(さるかみぞう)。
膝部分の糊が剥がれていて木目が見えますが、継ぎ目に「る」の字の繰り返しが見えます。
これは、弘前大学の調査で見つかったんだそうです。
さるの「る」なのか、ただの「る」なのか、「る」でも何でもないものなのか…。
まだ解明はしていないんだそうです。
正方形の3冊は教科書なんだそうです。
これまた エアーで原稿用紙のマス目が見えそうなくらい 同じ大きさの文字が並んでいます。
朱墨で大事なところに線を引いていたり 漢文の返り点みたいなものが書かれていたり、今も昔もやることは変わらないのね( ˘͈ ᵕ ˘͈ )♡
ページがなくなるまで 代々受け継がれては書き足していったそうです。
解説がなかったので詳しくはわかりませんが、地獄の種類の絵なのかな。
映画『Too Young to die! 若くして死ぬ』みたいな絵。
こういうのを詳しく見ていくの好きです。
とっても良いお勉強と、ますます久渡寺の秘仏ご開帳が楽しみになった会でした(^O^)/