こんばんは。
暖かい日が続き、すっかり春ですね。
関東でも桜が満開になり、残すところは北陸・東北・北海道地方となりました。
私の住む地方では、先日マンサクの花が咲きました。
マンサクの花が咲いてから40日後にソメイヨシノが開花すると言われています。
ゆっくりですが着々と、雪国にも春が近づいて来てますね。
桜の咲く今の季節が、1年のなかで最も「和」を感じます。
昔の時代の失われつつある良さや趣を、目一杯味わえたらいいなと思っています。
今回は、古今和歌集で詠まれている、在原 業平(ありわら の なりひら)さんの短歌をご紹介します。
在原 業平(ありわら の なりひら)
◇825年~880年
◇『古今和歌集』に30首が入集している
◇伊勢物語の主人公とされる
◇容姿が美しく、美男の代名詞とされた
桜を題材にした短歌
<原文>
世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし
<現代語訳>
この世の中に、まったく桜というものがなかったとしたら、春を迎える人の心は、穏やかでいられるだろうに。
<解説>
桜の開花はいつだろうか、花見にはいつ行こうか…と春は桜のことで、気持ちも予定も忙しくなる。だからいっそのこと、世の中に桜というのもがなかったら穏やかに過ごせるのに。
という意味の短歌です。
この短歌が作られた千年以上も昔と、今。
変わってしまったものがほとんどですが、木や花などの植物は場所を変えず同じ場所にあり続けます。
千年以上も昔の人と、同じものを見て同じような気持ちになれる。
時代は変化しても、人間の本質は変わりませんね。